1 暴力団排除条項とは
暴力団排除条項(暴排条項)とは、取引相手が暴力団など反社会的勢力であった場合に契約を解除できるようにするために挿入する契約条項のことです。
企業の自己防衛のために非常に有用です。
もし、現在使っている契約書に暴力団排除条項がない場合には、追記することを推奨いたします。
2 書式(警察庁モデル)
信頼できる書式例として、不動産を中心に、警察庁モデルへのリンクを貼っておきます。
3 暴排条項に準暴力団(半グレ)排除のための条項を追記する
「準暴力団(半グレ)」という言葉をお聞きになったことがあると思います。
近時、暴力団の存在感が低下し、それに替わって準暴力団の存在感が増しています。
法律上は、準暴力団の定義は存在しません。暴力団対策法(暴対法)の規制も準暴力団には及んでいません。
警察庁では、「暴力団と同程度の明確な組織性は有しないものの、これに属する者が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行っている」「暴力団に準ずる集団」のことを、「準暴力団」と呼称しています。
具体的には、
・関東連合OBグループ
・大田連合OBグループ
・打越スペクターOBグループ
・チャイニーズドラゴン
といったグループが、準暴力団に当たるとされています(警察庁)。
前述のとおり、準暴力団は暴対法の規制が及ばないので、相手を準暴力団と知らずに関係を持ってしまった場合、その関係を遮断するのが困難です。
そこで、既存の暴排条項に、暴力団等と併記して、準暴力団(半グレ)についても追記することにより対処することをお勧めします。
契約書(暴排条項)には、「準暴力団」についての明確な定義を定める必要があります。そうしなければ、条項の効果が半減します。
前述のとおり、法的な定義は存在しませんので、警察庁の暫定的な定義を参考にするのが良いと思われます。
もし、反社会的勢力との関係遮断についてお困りのことがあれば、民事介入暴力被害者救済センターまでご相談ください。
筆者(弁護士多田幸生)も同センターに所属しております。