コラム

【不動産】令和3年 住宅品質確保法及び住宅瑕疵担保履行法の改正等について

 

令和3年5月28日、住宅品質確保法と住宅瑕疵担保履行法を改正する法律が成立し、公布されました。

改正法に関する国土交通省パンフレット

改正内容は多岐に及びますが、中でも、「住宅紛争処理制度」が拡充されたことが重要です。

住宅紛争は、性質上、高度に専門的・技術的な内容となることが多いと言われます。
裁判所に民事訴訟を提起するためには、まず住宅の問題点を自力で把握する必要がありますが、通常、きわめて困難です。

そこで活用されてきたのが、弁護士会などが設置する住宅紛争処理機関によるあっせんや調停などの紛争処理(ADR)手続です。

しかし、これまで、新築住宅(「1号保険付き住宅」)等に関する紛争しか対象とすることができませんでした。

 

令和3年改正法はこれを改め、「2号保険付き住宅」に関する紛争も、住宅紛争処理機関によるあっせんや調停などの紛争処理(ADR)手続を利用できるようになりました。

「2号保険付き住宅」は、概ね、既存住宅のことです。

つまり、既存工事のリフォーム工事、大規模修繕工事、既存住宅売買などに関する紛争についても、ADRを利用できるようになったわけです。

 

私は、住宅紛争審査会(東京弁護士会)の紛争処理委員ですが、自分でも、同会の調停手続を利用したことがあります(代理人として。)。
問題の所在を専門的・技術的に分析し、問題解決に向けて一定の道筋をつけてくれる大変有効な制度と自負しております。
ぜひご活用いただければと思います。

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