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バリューアップジャパン様HPに、拙稿「社会常識としての独占禁止法㉓下請代金の支払方法に注意!まだ手形サイト120日ですか?」を公開いたしました。
本HPではその概略をアップいたします。
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1 下請負法による手形サイトの規制
手形取引は、バブル期と比べれば、手形取引の交換高は約50分の1にまで減少していますが、それでも2020年実績で年間134兆円の手形が交換されています。
その手形取引の支払サイトの長さが「下請負法」で規制されていることを、どのくらいの方がご存知でしょうか。
下請法4条2項2号は、「下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難」な手形を決済に用いることを禁止しています。
これは、下請負取引では、優越的な地位にある発注者(親事業者)が、下請事業者に対する下請代金の支払日を実質的に遅らせるために、支払サイトを極端に長くすることがしばしばあるため、これを防止しようという趣旨です。
2 何日までの支払サイトなら許されるか?
それでは、下請法上、何日までの支払いサイトなら許されるのでしょうか。
昭和41年の通達「手形のサイト短縮について」以来、過去50年間にわたり、それは「繊維業については 90 日以内、その他の業種については 120 日以内」であると言われてきました。
手形をお使いの企業様は、お手元の手形をご覧ください。120日サイトのものが多いのではないでしょうか。
しかしながら、このたび、この慣行が変わります。
令和3年3月31日の中小企業庁・公取委連名の「手形通達」によれば、今後、手形サイトは次のように変更されます。
「3 下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、60日以内とすること。
4 前記1から3までの要請内容については、新型コロナウイルス感染症による現下の経済状況を踏まえつつ、おおむね3年以内を目途として、可能な限り速やかに実施すること。」
つまり、今はまだ大丈夫ですが、3年以内(令和6年3月31日まで)に、従来の「120日」という手形サイトを「60日」に改める必要があります。
3 まとめ
手形は全体的に減少傾向にありますが、まだまだ重要な決済方法です。通達が変更されたこのタイミングで、自社の手形慣行に誤りがないか点検するのも良いと思われます。
以上