コラム

【不動産】どのような場合に「定期借家契約」にするか

平成12年3月に定期借家制度が施行されてから20年以上たちましたが、民間への普及率は概ね5%程度にとどまっていると言われます。

手続が複雑な印象があり、とっつきにくいためと思われますが、当職が見るに、「定期借家契約にすれば有効活用できるのに」ともったいなく思う場面も少なくありません。

そこで、このコラムでは、どのような場面で定期借家契約が用いられているかをご紹介したいと思います。

 

① 取壊し予定・大規模修繕予定の建物の賃貸

最も典型的な定期借家契約の場面です。

古い建物を取り壊して新しい建物を建てる予定がある場合において、借家人との間で期間満了時の退去の話し合いがうまくいかなければ、取り壊しが大幅に遅れます。

そのため、取壊し予定の建物では、貸し控えをするケースが多々見受けられます。

定期借家契約であればそのようなリスクはありませんので、問題なく貸すことができます。

 

② 転勤中の持ち家の賃貸

これも典型的な定期借家契約の場面です。

一般に、転勤期間は事前にわからないことの方が多いでしょうが、普通借家契約でも居住用なら2年契約が通常ですので、問題にならないでしょう。

 

③ 店舗オフィスの賃貸

都心の大規模オフィスビルでは、定期借家契約が多く用いられています。

市況の変化を賃料に反映しやすいことが理由と思われます。

契約期間は2年~5年が多いと言われます。

 

④ 高級住宅の賃貸

都心の好立地の高級住宅でも、定期借家契約が多く用いられています。

市況の変化を賃料に反映しやすいことに加え、賃借人とのトラブルリスクをヘッジする意味合いもあると思われます。

 

⑤ 心理的瑕疵が発生した部屋の賃貸

具体的には、自殺です。

国交省のガイドラインによれば、自殺などの心理的瑕疵についての説明義務の目安は3年とされています。

この3年間を、賃料を相場より(例えば3割)下げた定期借家契約で過ごす、といった活用法が考えられます。

 

⑥ 高齢者・母子家庭・生活保護受給者等への賃貸

賃貸人側に、高齢者・母子家庭・生活保護受給者等との賃貸借契約を敬遠する傾向があることは、否定しがたい事実です。

定期借家契約であれば、比較的、貸しやすいと思われます。

「保証会社」「見守りサービス(行政・民間)」などと組み合わせれば、賃貸人側のリスクをさらに低減できると思われます。

 

以上

 

 

 

 

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